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プロジェクト:ユリシーズ SF映画感想。重要ネタバレ無し。

 プロジェクト:ユリシーズ


原題 The Colony

監督 ティム・フェールバウム

出演 ノラ・アルネデゼール イアン・ギブソン

制作 ドイツ・スイス(2020年)

(画像はイメージ)

全編通して観ると、とにかく色彩がなくて暗いです。役者の動作が分からないほどに暗いので、アクションシーンが観えません。

主役をはじめ、登場人物は室内行動が基本です。終盤は外で霧と水中でアクションがありますが、最後の盛り上げにしては控えめだと思いました。


映像化する必要はなかったような物語で、小説にして文学作品として仕上げた方が良かったのではと思うくらいです。

ジャンルやあらすじにはSF・サバイバルの表記がありますが、主役はほとんど室内に閉じ込められている状態です。生存者たちと会話での交流をしますが、熟考する要素はないので共感は軽い感じでした。


観ていて一番印象的だったのは、中盤で木の苗が出てくるところでした。

荒廃した世界を表現したかったのでしょうけれど、画面は人物も背景も全部が暗くて彩度がないので見栄えはしません。せっかくの映像作品なのに、意味のない作り方をしています。

そんな中、窓からの光に照らされた緑の木の苗が出てきたシーンは、とても鮮やかに見えました。これが制作側の狙いだったのでしょうか。

緑を重要視して描写したのは間違いないと思います。物語の結末に希望の表現になっていますので。


あとは女性の生理描写の出血。画面に色彩がない分、血の色が際立って鮮やかに見えました。これも印象づけたかったのでしょうか。

物語は異星に移住した人間たちの不妊問題も挙がりますから。


あんまりSFやアクションを観たことがない人が観れば、面白いと思う作品になるのかもしれません。内容は大人向けというか、玄人向けのようです。

画面に彩りがなく、主役の行動範囲が狭いこともあるので子供が観るには耐えられないかと思います。

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